勃起の角度と硬さ・年齢・EDの関係

勃起時の陰茎の角度は、勃起力（硬さ）と深く関係しています。陰茎海綿体が血液を十分に取り込めば取り込むほどペニスは硬くなり、上向きに反り返るようになります。

根元部分を恥骨につなぐ靱帯が陰茎を引っ張るため、勃起時に角度がつく構造です。一般的に、勃起角度が高いほど女性の膣内を刺激しやすく、男性自身も亀頭への刺激を感じやすいため快感や勃起維持にプラスに働きます。

加齢による男性ホルモン（テストステロン）の減少や生活習慣病などが原因で勃起力が低下すると、自然と勃起角度も下がりがちです。
「以前より勃起角度が下がった」と感じたら、EDの初期兆候である可能性も否定できません。

勃起角度は「陰茎海綿体の血流量」と「靱帯の長さや強度」の2つが大きく影響します。靱帯が短く強固な人ほど勃起時に強く引っ張られるため、角度が高くなる傾向があります。

一方、靱帯が長かったり緩んでいたりすると、ペニスの根元の支えが弱まり、勃起しても上向きになりにくいケースもあります。また、長茎術（靱帯を一部切り離す施術）を受けると角度が下がることがあります。
これは勃起角度よりも「陰茎を長く見せる」メリットを優先している手術といえるでしょう。

いずれにせよ、勃起角度の個人差は大きく、靱帯が影響する部分もあるため、角度の高さ=勃起不全の有無を即断することはできません。しかし「明らかに昔より角度が下がってきた」場合は、勃起力自体が落ちている可能性が高いと考えられます。

一般的には「年齢を重ねると勃起角度が下がる」と言われています。加齢による血流量の低下やホルモンバランスの変化が勃起力を左右するからです。

有名な例え話として、手のひらを縦にして指を広げたときに、親指を10〜20代、小指を50〜60代の勃起角度に見立てるというものがあります。実際には個人差や体質があるため絶対的な指標ではありませんが、「若い頃よりも角度が下がってきた」と感じたら要注意です。

2009年にファイザー社が実施したアンケート調査では、「最近の勃起時の硬さに自信がない」と回答した男性の割合は20代で約3〜4割、40代では6割を超えていました。2025年現在、生活習慣病やストレス社会の影響で、この数値はさらに増加しているとも言われています。