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EDは身体的な要因と心理的要因が絡まり合って発症することが多いと言われています(※1)。身体的要因には肥満、動脈硬化、高血圧などがあり、メタボリックシンドロームや生活習慣病(糖尿病・高血圧症・脂質異常症)、心血管疾患などの持病のある人はEDを併発する割合が高いとされます(※2)。心理的要因には不安やプレッシャー、うつなどがあります。
勃起は脳から陰茎に至る神経系の働きと、陰茎に血を集める血管系・循環器系の働きによって支えられています(※3)。上に挙げた身体的要因はとくに血管系・循環器系の障害と深い関係があります。EDの多くはそうした身体的問題がベースとなり、神経のスムーズな働きを妨げる心理的要因も重なって生じていると考えられます(※4)。
生活習慣はこれらの心身の状態に影響し、EDのリスクを高めることが知られています。EDの症状は生活習慣病や心血管疾患の予兆と見なせる場合もあります(※5)。EDの治療では内服薬(バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのPDE5阻害薬)を用いつつ生活習慣の改善を図ることが基本となります。
EDは身体的な要因と心理的要因が絡まり合って発症することが多いと言われています(※1)。身体的要因には肥満、動脈硬化、高血圧などがあり、メタボリックシンドロームや生活習慣病(糖尿病・高血圧症・脂質異常症)、心血管疾患などの持病のある人はEDを併発する割合が高いとされます(※2)。心理的要因には不安やプレッシャー、うつなどがあります。
EDととくに関係が深いとされている生活習慣は、食生活の乱れと運動不足、喫煙、そしてアルコール依存です。それぞれについて研究結果をもとに解説します。
周知の通り、食生活の乱れ(食べ過ぎ、栄養の偏り、不規則な食事)と運動不足は肥満や動脈硬化、生活習慣病などの要因になります。EDについても同様で、食生活の乱れと運動不足による肥満はED発症・進行の要因のひとつです。
多数の中高年男性を対象に、数年から十数年にわたって肥満度などの身体的変化を調査した研究があります。肥満の人はEDになるリスクが高く、肥満の程度が高いほどEDが悪化しやすいという傾向が見いだされました。また、運動不足の度合いが高い人ほどEDのリスクが高くなるというデータも出ています(※1)。
喫煙は肺などの呼吸器だけでなく血管や神経の働きにも影響を与え、動脈硬化や糖尿病、そしてEDの要因になります。
喫煙によって血管の壁が損傷を受けたり、血液の成分が変化したりすることで動脈硬化が引き起こされる恐れがあります(※6)。また、喫煙は交感神経を刺激して血糖を上げ、インスリンの働きを妨げるため、糖尿病の要因になります(※7)。
喫煙による血管損傷や血流障害、交感神経刺激はEDの要因にもなると考えられています(※1)。勃起が起こるためには陰茎内に一酸化窒素が放出されることが必要ですが、喫煙は一酸化窒素の供給を低減させる可能性もあるようです(※8)。
数百名~10万名規模の男性被験者を対象とした調査で、非喫煙者に比べて喫煙者は1.5~2倍ほどEDになりやすいことが示されています。さらに、喫煙本数が多い人ほどEDになりやすい傾向があります(※1)。
喫煙の場合と異なり、飲酒と勃起機能の関係は一様ではありません。実は、適度な飲酒の習慣がある人は飲酒習慣のまったくない人よりEDの発症リスクが低いと言われています。かなりよくお酒を飲む人(目安として日に3杯以上)についても、EDのリスクが高いというデータは出ていません(※9)。ただし過度の飲酒で生活習慣病が引き起こされEDを併発する可能性はあるでしょう。
また、アルコール依存となると話は別のようです。84名のアルコール依存症患者を対象にした研究では、アルコール依存の持続期間、1日の飲酒量、アルコール依存の重症度がEDを初めとする性機能障害と関係があることが示されています(※10)。
以上は飲酒の長期的な影響の話ですが、アルコールを飲んだ時点での影響も考慮する必要があります。お酒を飲みすぎると脳の働きが抑制されて性的に興奮しにくいなどの影響があり、一般的に勃起しにくい状態になります(※11)。
数百名~10万名規模の男性被験者を対象とした調査で、非喫煙者に比べて喫煙者は1.5~2倍ほどEDになりやすいことが示されています。さらに、喫煙本数が多い人ほどEDになりやすい傾向があります(※1)。
適切な方法で生活習慣を変えればEDの改善と予防につなげることが可能です。生活習慣はEDだけでなく生活習慣病や心血管疾患などの命にかかわる病気にも関係します。ED対策を目標にしながら、全般的な健康の向上を図っていきましょう。
肥満・過体重のED患者に対しカロリー制限と運動不足解消プログラムを課した実験では、体重とED症状がともに改善したという結果が出ています。また、ED治療薬(PDE5阻害薬)の効果が運動によって向上したというデータもあります(※1)。
禁煙についても同様のデータが出ています。患者の年齢が若いほど、または症状が軽いほど禁煙による効果が高くなるようです(※1)。
過食を避け、低脂肪・低カロリーで栄養バランスのとれた食事を心掛けましょう(※5)。特定の栄養素がED改善に効果的だというデータはありません。例えば、肥満・過体重のED患者に対して高タンパク低脂肪のダイエット食と高炭水化物低脂肪のダイエット食を試した実験では、勃起機能改善効果に差は見られませんでした(※1)。
特定の栄養素を豊富に含むサプリメントを摂取したからといってEDが改善するという証拠はありません。サプリメントは栄養バランスの乱れを補う程度に利用するのが賢明と言えます。
運動についても、自分の体と相談しながらライフスタイルや趣味に合ったものを適度に取り入れていくのがよいでしょう。
例えば、適度な筋トレは運動不足解消に効果的ですが、「男らしい筋肉隆々の体」にすればEDが劇的に改善するというような話はありません。ただし、自分の肉体に自信を持てるようになればEDの心理的な要因が改善する可能性は考えられます。そうしたことは個人の性格や好みによって左右されることですので、ED改善のためには自分自身について見つめ直すことも重要です。
なお、スポーツ自転車(ロードバイクなど)でのサイクリングがEDの要因になるという説がありますので、念のために注意しておいたほうがよいかもしれません(ただし何の運動もしない人のほうがEDリスクは高いようです)。
原因とされるのは、サドルで圧迫されて会陰部の神経・血管が損傷することです。圧迫を避けるためには自転車のサイズやポジション、サドルの形・素材、乗る姿勢などに注意してください(※12)。
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