咽頭クラミジアの基礎知識　原因・症状から治療・予防方法まで

性器クラミジアの場合は潜伏期間（病原菌が侵入してから症状が現れるまでの期間）が1～3週間と言われていますが、咽頭クラミジアは無症状が多いこともあって潜伏期間の長さははっきりわかっていません。

大半のケースで症状がない（軽い）ということはよいことのようですが、それだけに感染に気づきにくく、他の人にうつしてしまう危険が高いという問題があります。放置すればするだけ感染を広げてしまうリスクは高くなります。

咽頭のクラミジアがパートナーの性器にうつり、そこからさらに自分の性器、相手の咽頭へと伝染していくこともありえます。女性の場合、性器にうつったクラミジアを放置すると感染が子宮の奥に広がって不妊症や流産・早産の要因となったり、分娩時に新生児に伝わって結膜炎や肺炎を引き起こしたりする恐れがあるため、とくに注意が必要です。（※1）

咽頭クラミジアの診断はクラミジア・トラコマティスの遺伝子を検出することで行われるのが一般的です。喉を綿棒でぬぐって粘膜を採取して検査する場合と、患者にうがいをしてもらい、そのうがい液を用いて検査する場合があります。うがいをする場合、食事や歯磨きの直後は避けます。（※1）

検査で咽頭クラミジアへの感染が判明した場合、パートナーも性器などに感染している可能性が高いため、検査を受けてもらう必要があります。クラミジアは症状が出ない場合が多いため、無症状だからといって検査を避けるわけにはいきません。

検査は性病科（性感染症内科）、泌尿器科、婦人科で受けることができます。耳鼻咽喉科では検査に対応しているところと対応していないところがあるため、確認してから受診してください。

また、検査キットが市販されており、検査だけであれば医療機関にかからずに行うことも可能です。検査機関から通信販売で検査キットを購入し、自分で粘膜やうがい水を採取して返送します。結果はネット上の専用ページや郵送の通知書で確認します。

咽頭クラミジアと性器クラミジアは同時に感染している場合も多いため、咽頭への感染が判明したら性器の検査も行います。また、クラミジアと淋病の同時感染のケースもかなりあり、症状からは両者の判別が難しいため、医療機関ではクラミジアと淋病を同時に検査するのが一般的です（※1）。検査キットも両方を検査できるものが販売されています。

また、性感染症一般に言えることですが、不特定多数と性交渉を持つようなライフスタイルを避けることがもっとも基本的な予防対策です。 当院では咽頭クラミジアの検査・治療がオンラインにて可能です。症状に心あたりがある方はお気軽に検査・診察をお受けください。治療詳細はこちら