ED治療薬の特徴②　「バイアグラ」の効果と副作用

個人差はあるものの、一般的に30分～1時間程度経過後に薬効が発現し始めます。「服用後1時間前後」が一番効果を確保しやすいとされていることから、性行為が想定される時間の約1時間前に「水」で服用してください。

お茶や清涼飲料水でも問題ありませんが、「グレープフルーツジュース」は代謝を高めてしまう可能性があるため危険です。また、「牛乳」は逆に吸収を妨げるためお避けください。

効果が現れるまでに少し時間を要するため、性行為から逆算して服用のタイミングを調整するのはやや困難な面があります。

後発のED治療薬に比べてバイアグラの効果はあまり長持ちしません。「最長4時間程度の持続力」とされていますので、ご利用に対する「汎用性の低さ」が確認できます。安定的なパートナーがいたり、妊活など計画的に性行為のタイミングを調整できる場合に向いていると言えるでしょう。

バイアグラはお食事の影響を色濃く受けます。食事後に服用してしまうと、有効成分の吸収率が悪くなってしまい、効果が半減したり発現時間が遅れてしまう影響が考えられます。極力お食事を摂る前、そしてできるだけ空腹時に服用していただき、しっかりと成分が吸収されるように心がけてください。

成分の吸収が済んでしまえば、その後お食事をなされても効果が落ちないとされています。ただし持続時間も限定的ですので、バイアグラを服用いただく際はご予定の行為がお済になってからお食事を摂るように習慣づけた方が良いでしょう。

また、服用は1日1回までとされ、次に服用する際は24時間以上あけるようにしてください。タイミングを逃してしまったからと言って、再度その日に服用してしまうことは避けなければなりません。

一時的ではあるものの物の見え方（色など）に異常がもたらされるケースがあります。この際はその後の服用を中止し、医師の指示を仰いでください。

次のような持病については、お薬の服用が難しかったり、服用に厳重な注意を要する場合があります。特に重い心臓病などでは服用により命に影響を与えるような可能性もありますので、これらの持病をお持ちの場合は、必ず事前に医師にご説明していただき、その上で治療薬服用の可否を仰いでください。

　バイアグラと相性の良くない持病　 　
「脳梗塞」、「脳出血」、「心筋梗塞」などの心血管系障害、程度の強い「低血圧症」や「高血圧症」、「肝機能障害」、「目の網膜のご病気」など

バイアグラでは、以下の薬剤との併用が禁止されています。

　　バイアグラで併用禁忌のお薬（併用できないもの）　 　
1. 硝酸剤及び一酸化炭素供与剤…ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等
2. アミオダロン塩酸塩（アンカロン）
3. sGC刺激剤…リオシグアト（アデムパス）

①と③については、バイアグラとの併用で血圧を過度に下げてしまう恐れがあり、②については心電図において大きく波形を乱してしまうような影響（QTc延長作用）が指摘されています。重篤な病などを引き起こす可能性があるため、「バイアグラ」と併せて服用することは絶対に避けるように案内されます。

また、併用する場合に注意を要するものとして、以下の薬剤がございます。

　バイアグラで併用に注意を要するお薬　 　
1. チトクロームP450 3A4阻害薬…リトナビル、サキナビル、ダルナビル、エリスロマイシン、シメチジン、ケトコナゾール、イトラコナゾール等
2. チトクロームP450 3A4誘導薬…ボセンタン、リファンピシン等
3. 降圧剤…アムロジピン等
4. α遮断剤…ドキサゾシン等
5. カルペリチド

①は飲み合わせにより肝クリアランス（お薬を代謝する能力）を弱めてしまうもので、②は逆に肝クリアランスが増強されてしまい、お薬の影響を強く受けすぎてしまうようなリスクが懸念されるものです。③④⑤については、いずれも血管拡張作用を受けて降圧作用を強めてしまう点（血圧が下がりすぎてしまう点）で注意を要するものです。

併用禁止のもの、併用に注意を要するもの等ございますが、いずれも患者さまの側で安易に判断すべきものではございません。これらの服用に心当たりがある場合は「おくすり手帳」などを持参して、必ず担当医にご相談ください。