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勃起していないときの陰茎はほぼ真下を向いていますが、勃起して硬さが増すほど上向きになります。
陰茎の根元は、靱帯によって恥骨につなぎとめられています。勃起時には陰茎海綿体に血が流入して陰茎が伸びますが、根元が靱帯に引っ張られるので、ペニスが反り返って、上を向きます。
勃起角度が水平よりも上になったほうが、女性の膣を刺激しやすく、男性自身も亀頭が膣に押し当てられて擦れるため快感が増し、勃起が持続しやすくなると言われています。
加齢などにより勃起力が低下し、勃起してもあまり硬くならなくなると、勃起角度は低下します。
勃起角度は陰茎と恥骨をつなぐ靱帯の状態にも影響されます。
靱帯が非常に短い男性は勃起したときに陰茎が上向きになりすぎて、性行為に支障をきたすことがあります(陰茎挿入時に女性が痛みを感じるなど)。[1]
逆に、靱帯が長かったり緩かったりすれば、陰茎が硬くなってもあまり上向きになりません。靱帯が損傷して引っ張る力が弱まり、勃起角度が低下することもあります。
長茎術(陰茎を長くする手術)の一つに、靱帯の一部を切り離す方法があります。この手術をすると勃起時の陰茎が少し前に出てペニスが長く見えるようになりますが、勃起角度が多少低下します。[2]
勃起の角度は年齢とともに低下する傾向があります。
大雑把な話ですが、広げた手の指の角度が各年齢の勃起角度に対応しているという説があります。
上の写真のように手のひらを縦にして5本の指を広げた状態にしたとき、親指から小指に向けて順に20代、30代、40代、50代、60代(別説では10代、20代、30代、40代、50代)の勃起角度を表すとされます。
このように言われるのは、年齢とともに男性ホルモンの変化などにより勃起力が低下して硬さが弱まり、勃起角度が下がる傾向があるからです。
ED診断の基準となるのは、「満足な性行為を行うのに十分なほど勃起するかどうか」です。[4]
「勃起しても柔らかすぎて膣に挿入できない」「膣に挿入できるほど勃起するが、性交の途中で萎えてしまい膣内で射精にいたることができない」といった症状がずっと続いたり、度々発生したりすれば、EDと診断されます。
勃起角度が低いことだけではEDの証拠になりません。勃起角度が水平以下でも、ペニスが十分に硬くなれば、満足のいく性行為が行えます。したがって、EDとは言えません。
とはいえ、勃起角度はEDかどうかを推測する目安のひとつにはなります。前よりも陰茎が硬くならないという自覚があり、勃起角度が水平以下であったら、EDの可能性が高いため、医療機関に相談してみたほうがよいでしょう。
EDかどうか判断するには、角度よりも硬さが重要です。勃起硬度測定評価(EHS)という簡易的な評価法では、勃起の硬さを5つのグレードに分類しています。[5]
グレード | 硬さのイメージ | EDの可能性 |
4:陰茎は完全に硬く、硬直している | リンゴ | EDではない |
3:陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはない | グレープフルーツ | 性交に支障があればED(途中で萎えてしまうなど) |
2:陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない | みかん | 明らかにED |
1:陰茎は大きくなるが、硬くはない | こんにゃく | 明らかにED |
0:陰茎は大きくならない | (こんにゃく以下) | 明らかにED |
ED治療薬を服用すると、血管が拡張して陰茎海綿体に血が流れ込みやすくなります。陰茎海綿体にたくさんの血が流れ込むほど陰茎は硬くなり、角度が上がります。
ED治療薬は勃起力を一時的に回復する薬です。器質性EDの場合、ED治療薬では原因を治すことはできず、性行為の度に治療薬を飲み続ける必要があります。
心因性EDの場合、治療薬の力で勃起できるようになり、満足に性行為を行う経験を重ねることで、不安やプレッシャーなどの心理的要因が解消されて、治療薬なしでも十分に勃起できるようになることがあります。
肥満やメタボ、生活習慣病はEDのリスクを高めます。運動により肥満やメタボを解消すれば、EDを予防したり症状を改善したりする効果が期待できます。
勃起力について扱ったサイトなどで、骨盤底筋(PC筋)を鍛えると勃起の硬さ・角度・持続時間が向上すると解説されていることがありますが、勃起は筋肉の働きで起こるものではないので、直接的にはそうした効果は期待できません。
また、下半身に筋肉をつけると血流がよくなって勃起しやすくなるという話もありますが、医学的な根拠はありません。
肥満・メタボ解消のための運動の一種として捉えるならば、筋トレは効果的です。とくに部位にはこだわらず、全体的に鍛えたほうがよいでしょう。
暴飲暴食や偏った食事は肥満やメタボ、生活習慣病につながり、EDの要因となります。食生活の改善によりEDの予防・症状軽減が期待できます。
亜鉛、アルギニン、シトルリンなどが勃起力改善効果がある栄養素としてよく取り上げられますが、医学的には、特定の栄養素を多くとったからといって勃起力が改善するという証拠はありません。特定の栄養素にはこだわらず、バランスのよい食事を心がけてください。
喫煙は血管や神経に影響を与え、陰茎海綿体への血の流入を阻害します。また、喫煙習慣は生活習慣病の原因のひとつであり、将来的にEDを発症するリスクを高めます。
EDの予防・改善のためにぜひ禁煙してください。
勃起したときの陰茎が硬いほど、角度は上向きになります。陰茎の根元を恥骨につなぎとめている靱帯も角度に影響し、靱帯が短く強靱なほど角度が上になる傾向があります。
加齢とともに勃起力は低下し、陰茎の硬さが低下するので、勃起角度も下がります。勃起力低下のスピードには個人差があります。
以前より勃起時の陰茎が柔らかく、角度が水平以下の場合、EDの可能性が高いので、症状が進行する前に医療機関の受診を検討してください。